私がラジオ波を利用した施術『深層筋温熱療法』を導入するに至った経緯をご説明します。

日々の施術を通じて、肩・首・腰などに生じる痛みの多くが、レントゲンには映らない軟部組織の生理学的変化、すなわち筋硬度の上昇や血行不良、そして結合組織の伸張性低下に起因すると確信しました。このような筋肉を主体とする痛みは、筋筋膜性疼痛症候群として広く研究されており¹、その背景には、微細な損傷の繰り返しによる軟部組織の線維化や滑走性の低下（癒着）が関与していることも指摘されています²。これらの問題に対し、徒手療法や運動療法に温熱療法を組み合わせるアプローチは有効です。特に温熱は、コラーゲン線維で構成される硬くなった組織の伸張性を高める効果が報告されています³。

しかし、ホットパックのような体表から熱を加える「表在的温熱療法」では、熱エネルギーが深層の筋肉まで到達しにくいという物理的な限界がありました⁴。この課題を解決したのが、高周波エネルギーによって体内で直接熱を産生する「深部温熱療法」、すなわちラジオ波です。ラジオ波は、これまでアプローチが難しかった深層の筋組織の温度と血流量を有意に増加させることが示されており⁵、徒手療法との相乗効果によって、より根本的な改善へと導くことを可能にしました。
 

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【第1部】「私の痛み」に関係ある？

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Q. そもそも『ラジオ波』とは何ですか？

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A. 医療分野で用いられる高周波エネルギーです。体内に高周波を流すことで組織内のイオンが振動し、その電気抵抗による摩擦熱（ジュール熱）を発生させ⁶、体の内側から深部組織を選択的に加温する先進的な物理療法です。

 

 

Q. 他の温熱療法との違いは何ですか？

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A. ホットパック等が体の表面から熱を伝えるのに対し、ラジオ波は体内で直接熱を発生させます。そのため、手技や表面的な温熱では届かない深層の筋肉や関節組織に到達できる点が最大の違いです⁴。

 

 

Q. なぜ、深層部を温めることが痛みの改善に重要なのですか？

 

A. 長引く痛みの多くは、深層筋の血行不良とそれに伴う持続的な侵害刺激が原因とされています⁷。深部加温は局所の血流を有意に増加させ⁵、発痛物質の排出を促し、筋硬度を減少させます。

 

 

Q. ラジオ波は、科学的に見てなぜ痛みを和らげるのですか？

 

A. 複数の作用が報告されています。血流促進による発痛物質の除去⁵、痛みの伝達抑制⁸、抗炎症作用⁹に加え、近年では硬くなった線維化組織の柔軟性を高める効果も示唆されています¹⁰。

 

 

Q. 身体が硬いのですが、ラジオ波で関節の動きも良くなりますか？

 

A. はい。身体の硬さの原因である組織の癒着や線維化に対し、ラジオ波の温熱効果は有効です。硬くなったコラーゲン組織の柔軟性を高め³、関節を包む膜（関節包）の線維化を改善し、可動域を広げるとの報告もあります¹⁰。

 

 

Q. 私の「坐骨神経痛」や「長年の肩こり」にも効果が期待できますか？

 

A. はい。坐骨神経痛の原因となりうる腰部神経根症への有効性を示した研究¹¹をはじめ、腰痛⁵、肩痛⁸、首痛¹²など、深層筋の硬さが関与する多くの症状へのアプローチが期待できます。まずはお話を伺い、あなたの症状に最適か判断した上でご提案します。

 

 

Q. 強くもんでもらった方が、深層部に効くような気がするのですが…

 

A. 強い機械的刺激は筋線維を微細に損傷させ、かえって防御的な筋収縮や炎症（いわゆる「もみ返し」）を誘発しかねません¹³。ラジオ波は体にこのような負担をかけることなく深部へ到達し、安全かつ効率的に硬くなった組織を弛緩させます。

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